薬物動態

1 血中濃度

  1.  単回投与

健康成人20名にシルデナフィル25、50、100及び150mgを単回経口投与した時の最高血漿中濃度(Cmax)はそれぞれ105、192、425及び674ng/mLであった。0時間から最終定量可能時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積(AUClast)はそれぞれ231、504、1148及び1977ng・hr/mLであり、投与量に比例して増加した。血漿中のシルデナフィルは終末相における消失半減期(t1/2)3.23~3.31時間で速やかに消失した。

投与量
(mg)

Tmax
(hr)

Cmax
(ng/mL)

AUClast
(ng・hr/mL)

AUC
(ng・hr/mL)

t1/2
(hr)

25

0.8±0.6

105±62

231±103

50

0.9±0.4

192±102

504±202

100

0.8±0.4

425±147

1148±274

1190±301

3.31±0.81

150

0.9±0.5

674±239

1977±733

2044±721

3.23±0.73

算術平均値±標準偏差(n=20)
Tmax :最高血漿中濃度到達時間
Cmax :最高血漿中濃度
AUClast:0時間から最終定量可能時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積
AUC :0時間から無限大時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積
t1/2 :消失半減期

 

  • 1.2 連続投与

    健康成人6名にシルデナフィル50及び100mgを1日1回7日間反復経口投与した時のCmin(投与後24時間値)は試験期間中を通して定量限界値(1ng/mL)付近であった。Tmax及びt1/2は7日間の反復投与により変化はしなかった。

 

  • 1.3 生物学的同等性

    健康成人男性20例に、クロスオーバー法によりバイアグラODフィルム50mg(水なし又は水で服用)1枚とバイアグラ錠50mg(標準製剤として水で服用)1錠(いずれもシルデナフィルとして50mg)をそれぞれ空腹時単回経口投与したときの、シルデナフィルの血漿中濃度及び薬物動態パラメータは以下の図及び表の通りであった。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、バイアグラODフィルム50mgは、水なし又は水で服用した場合のいずれにおいても、バイアグラ錠50mgと生物学的同等性が確認された。
    また、バイアグラODフィルム25mgは、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性ガイドライン(平成24年2月29日付 薬食審査発0229第10号)」に基づき、バイアグラODフィルム50mgを標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。

    1. (1) 水なしで服用

    1. 剤形及び投与量

      判定パラメータ

      参考パラメータ

      Cmax
      (ng/mL)

      AUC14
      (ng・hr/mL)

      Tmax
      (hr)

      t1/2
      (hr)

      バイアグラODフィルム50mg
      (水なしで服用)

      234±73

      642±184

      1.2±0.8

      2.10±0.33

      バイアグラ錠50mg
      (水で服用)

      245±99

      606±211

      0.9±0.9

      2.06±0.32

      算術平均値±標準偏差(n=20)
      Tmax :最高血漿中濃度到達時間
      Cmax :最高血漿中濃度
      AUC14 :0時間から14時間(最終サンプリング時間)までの血漿中濃度-時間曲線下面積
      t1/2 :消失半減期
    2. (2) 水で服用

      剤形及び投与量

      判定パラメータ

      参考パラメータ

      Cmax
      (ng/mL)

      AUC14
      (ng・hr/mL)

      Tmax
      (hr)

      t1/2
      (hr)

      バイアグラODフィルム50mg
      (水で服用)

      236±129

      643±327

      1.1±0.7

      2.04±0.24

      バイアグラ錠50mg
      (水で服用)

      227±112

      632±292

      1.2±0.8

      2.06±0.24

      算術平均値±標準偏差(n=20)
      Tmax :最高血漿中濃度到達時間
      Cmax :最高血漿中濃度
      AUC14 :0時間から14時間(最終サンプリング時間)までの血漿中濃度-時間曲線下面積
      t1/2 :消失半減期